神戸市に住む姉からメールが届いた。

「勝君、元気ですか？少し遅くなりましたが、お誕生日のプレゼントを贈りました。ロレックスの時計です。かぶるかも（笑）」

ロレックスの時計…　かぶる…

お人好しの姉、また元町の高架下で騙されでもしたか？

びっくりして電話するも、出てくれない。

すると、又メールが「移動中です。プレゼントが届いたら連絡下さい、お楽しみに」


翌日、自宅に小包が届いた。中身はこれ



私が普段つけている腕時計、ロレックスGMTマスター（16750）を模した壁掛け時計だ　　すごく良く出来ている。


















すぐにお礼の連絡を入れて、取得経緯等を聞いた。

事の顛末はというと。

姪と三ノ宮で買い物をしてた際に、ぶらっと入った雑貨屋さんで姪が見つけたとの事。

「大きい叔父ちゃん（私の事）と同じ時計の壁掛け時計やん、可愛い～」　　と。

私「よう、僕の時計知ってたな？」

姉「M（姪）の元カレもつけてたらしい」

私「若いのにそんなん付けてる奴は、別れて正解」

姉「あんたもしてたやん」


私が高校一年生、姉が高校三年生の時、私たちは母親を亡くした。

以後、姉は私と弟の身の回りの世話等、母親代わりとして家事の一切をし、学業と両立させた。

いつも明るく、のほほーんとしたユーモアたっぷりのオシャレさん、私の洋服等をセンス良く選んでくれた。

でも、女性の一番輝いている時期を、姉は家族の為に犠牲にしたと思う。


弟が成人した後に、姉は神戸のエンジニアの男性に嫁いだ。

婚姻後、PCオペレーションの会社を起ち上げ、一男二女を育て上げた。（スーパーウーマンだと思っている）今は少しゆっくりした生活している。

姉のおかげで、私は不動産屋のオヤジに、弟は、東・大証一部上場企業の役員となった。


「お姉ちゃん、ありがとう。年末に従兄弟会をしようと思っている、招待しますので来てね。何か食べたい物ある？」

姉「さ○みのお好み焼きが食べた～い、芋入りの」

そこには、母親譲りの長身で色白の、かつてのモテモテＪＪガールの面影は無かった。